H様邸 堺市

クライアントのこだわり

  • 車椅子使用者対応とする為、徹底したバリアフリーにしました。道路からスロープで玄関ポーチまで至り、玄関ポーチと玄関土間の段差を2㎝に抑え玄関土間と1階フロアの段差を5㎜にしました。(玄関框が無いということです。)
  • 1階2階とも、大きめのホールにすることにより廊下を無くしました。
  • バルコニーも2階床レベルより200㎜レベルを下げたうえで、200㎜のウッドデッキを敷き2階床とバルコニーを段差無しにしました。
  • 「玄関・寝室・洗面室・トイレ」と「エレベーター」と「2階LDK」の動線を極力簡素化し車椅子の移動の負担を無いように計画しました。
  • 住宅における生活環境の意識は高く、断熱性・空調設備・換気設備・VOC対策に多額の予算配分をしました。
  • お嬢様の部屋は1階道路側の位置なので、プライバシーへの配慮として、260×900のフィックス窓と縦辷り窓の2連組み合わせとし、下側は型板ガラスとしました。また、防火避難上の為、道路側でない窓を1600×900のシャッター付き引違い窓としました。
  • ワンちゃんの居室は1階ホールとし、道路側の設けた窓は260×900のフィックス窓と縦辷り窓の2連組み合わせとし、下側は透明ガラスとしました。ワンちゃんが外の景色を見れるように配慮した為です。
  • そもそもお施主様には、このような建物を建てたいというイメージがあり、空間デザイナーと緻密な打ち合わせを既にされていました。
  • 土地選びについては、非常に売り物が出にくい地域で、どうしても建売住宅の一角を購入しなければならず、希望の大きさ・形状ではない土地でした。その土地にご希望の建物が建築できるか否かが最大の課題でした。

外観のこだわり

  • 建売住宅の一角であるので、形状・カラーなど規制がありましたので、その範囲内で極力個性を出しました。
  • その個性の象徴が、道路に面するバルコニーのパーゴラです。パーゴラの躯体は、構造梁をそのまま伸ばしたのでサイズ的に幅20㎝高さ40㎝の結構ガッチリとしたものです。パーゴラというよりか、意匠梁ですね。
  • なぜ、8帖のバルコニーにパーゴラを設置かと言いますと、車椅子生活で外に出られなく、外気にふれたいと思ったとき、リビングから段差無しのバルコニーに出て、外気にふれたい。夏の日差しを少し和らげ、適度な太陽の陽、心地よい風受けるための奥様の愛情が、建物に反映されました。

内観のこだわり

  • アイランド型流し台に、指定された「ミーレ」食洗器を特注でビルトインしました。
  • レンジフードもアイランド型で、天井収納はオリジナル、壁面収納は作り付け家具、壁面部分はご自身でチョイスされたタイルを組み合わせされました。
  • 玄関を入ると、スケルトンの階段の側面が見えるように配置。階段は建物の中央に配置し、2階リビングダイニングの中央を突き抜け、ダイニングの勾配天井まで吹抜けとしました。
  • 階段吹き抜け部分の外壁には、600×2000のフィックス窓を2枚入れ、2階の階段室から、1階ホールに向かって光が降り注ぐようにしました。
  • 家全体が同一空間にし、壁・ドアの仕切りを極力無くしました。よって、ホール・洗面室・トイレに至るまで、全館床暖房にしました。
  • 床・階段・建具などは無垢材を採用し、階段手摺・吹抜けに面するホールの手摺はブラックのアルミ製として、対照的な質感を醸し出しました。
  • 室内窓・作り付け家具・タイル・クロス・照明など、奥様と空間デザイナーが徹底して作りこみましたから、ここでは私の出番はありませんでした。
  • どの作品でも言えることですが、作りこんでギリギリまで攻めた家づくりは完成したものだけをご覧になってもわからないことがあります。また、お住まいになってから味が出てくるものです。

物件概要

  • 竣工 2020年
  • 建物構造 木造瓦葺2階建